様々な平均値

普通平均と言えば次のような算術平均をさす。(例としてサイコロの目の平均を計算する。)

平均=(1+2+3+4+5+6) ÷ 6=3.5

しかし次のような例題を考えてみる。


例題
ある企業が営業所Aと営業所Bを持っている。Aは10年前、Bは5年前に造られている。2つの営業所がある街は周りの人口や産業比率も規模的に同じである。その2つの営業所の前年度からの売上伸び率を調べたところ次のようになった。
                                     
                           (単位:%)

1 2 3 4 5 6 7 8 9
A 4.5 6.3 3.5 4.5 6.7 2.5 6.7 2.7 4.0
B - - - - - 4.5 4.6 4.3 4.5


この2つの営業所の実績を比較したい。どのようにすればよいか?



この2営業所の算術平均を単純に計算すると次のようになる。

営業所Aの平均=(4.5+6.3+・・・+4.0)÷ 9=4.60
営業所Bの平均=(4.5+4.6+4.3+4.5) ÷4 =4.48

この平均値を見る限りAの方が勝っているように思われる。しかし伸び率を用いた計算は次のように行われる。

去年×(1+今年の伸び率)=今年
去年×(1+今年の伸び率)×(1+来年の伸び率)=来年

このように伸び率の場合は「かけて」計算されるので平均を計算するのも次の様に幾何平均で求める必要がある。

幾何平均=[値を全部かけたもの]の個数乗根

個数乗根とは例えば次のように計算される。

[4 9]はかけて36。2乗して36は⇒6

[1 2 4]はかけて8。3乗して8は⇒2

[2 2 2 32]はかけて256。4乗して256⇒4

これらは計算しやすい例であるが、基本的に幾何平均は電卓やソフトウェアを用いて計算する。
先ほどのA営業所とB営業所について幾何平均で計算すると次のように計算される。

Aの幾何平均=(4.5+6.3+・・・+4.0)の1/9乗=4.34
Bの幾何平均=(4.5+4.6+4.3+4.5)の1/4乗=4.47


幾何平均を用いた場合ではBの方が平均的に勝っているという結論が出た。このように伸び率などを平均で比較する際には幾何平均を利用するのが好ましい。

また平均には調和平均というものがあり。次のようなときに利用できる。


例題
A氏とB氏が同じ道を次のような表に従い休まず往復した。平均時速はどちらが早いか

    (単位:km/時速)

行き 帰り
A氏 60 40
B氏 50 50


この場合算術平均で計算するとA氏が50km/時速、B氏が50km/時速になり同じ速度のように思われる。しかし仮に片道1200kmの距離を考えた場合2人の所要時間は次のように計算される。

A氏=1200÷60+1200÷40=20+30=50時間
B氏=1200÷50+1200÷50=24+24=48時間

これを見てわかる通りB氏の方が明らかに早い。距離をかかった時間で割ることで平均時速を計算すると、

A氏=2400/50=48km/時間
B氏=2400/48=50km/時間

実際に計算するときは次のような調和平均の式が利用される。

調和平均=個数/個数の逆数の和

普通は算術平均を利用するが、このようにデータに合わせ幾何平均や調和平均で計算する必要がある。
新聞などで「平均」として表現されているものの中にもこの2つの平均が良く利用されている。