偏差値とは何か?
高校では自分の学力を比較するのに偏差値が利用されている。「60あれば十分」や「80あれば天才」などの声が聴かれるがその偏差値の計算方法はあまり知られていない。ここで次のような例題を考える。
例題
ある業種の10企業の売上高を今年と5年前で調査したら次の表のようになった。
(単位:百万円)
| 企業 | A | B | C | D | E | F | G | H | I | J |
| 5年前 | 25 | 24 | 24 | 19 | 22 | 26 | 28 | 16 | 19 | 24 |
| 今年 | 25 | 31 | 32 | 16 | 16 | 15 | 32 | 14 | 18 | 28 |
企業Aについては今年も5年前も25百万円であるが周りと比較して改善したのか?
業種内で比較する際はシェアを計算すると、その企業の成長性を比較することが出来る。そこでそれぞれの企業のシェアを5年前と今年で計算すると次の表になる。
(単位%)
| A | B | C | D | E | F | G | H | I | J |
| 11.0 | 10.6 | 10.6 | 8.4 | 9.7 | 11.5 | 12.3 | 7.0 | 8.4 | 10.6 |
| 11.0 | 13.7 | 14.1 | 7.0 | 7.0 | 6.6 | 14.1 | 6.2 | 7.9 | 12.3 |
5年前と今年を比較してシェアは変化していない。その理由は10社の売上を計算すると今年も5年前も2億7300万円なので2500万円のシェアは変わらずに11%になる。
そこで、ここで偏差値を利用して比較を行う。偏差値を計算するのには次の式で計算される分散を利用する必要がある。
分散=(それぞれのデータ−平均)を2乗して足す ÷ データ数
例えば平均が3となる[2,3,4]のデータXと[1,3,5]のデータYで計算すると次のようになる。
Xの分散={(2-3)2+(3-3)2+(4-3)2}÷3=0.67
Yの分散={(1-3)2+(3-3)2+(5-3)2}÷3=2.67
分散はデータが広がっているときに大きくなるようになっている。この式を利用して5年前と今年の平均と分散を計算すると次のような値になる。
| 平均 | 分散 | |
| 5年前 | 22.7 | 12.21 |
| 今年 | 22.7 | 22.70 |
計算された平均と分散を利用して次の式で決めている偏差値を計算する。
偏差値=50+10×(数値−平均)÷分散の平方根
分散の平方根とは、たとえば分散が12.21の場合
√12.21=3.49となり、
この3.49は標準偏差と呼ばれている。
偏差値の式に従い計算すると10社の偏差値は次のようになる。
| A | B | C | D | E | F | G | H | I | J | |
| 5年前 | 56.6 | 53.7 | 53.7 | 39.4 | 48.0 | 59.4 | 65.2 | 30.8 | 39.4 | 53.7 |
| 今年 | 53.2 | 61.5 | 62.9 | 40.7 | 40.7 | 39.3 | 62.9 | 38.0 | 43.5 | 57.3 |
偏差値は値をそのまま比較することが出来るので56.6よりも53.2が小さいのでA社は5年前と比較して偏差値は良くない。売上高の順位を見ても5年前は3位だったのが、今年は5位に落ちている。
偏差値が悪くなっているのは分散が大きくなっているためである。分散が大きいというのは差が激しくなり「伸びる企業」と「淘汰される企業」の2者に分かれていっているためである。